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株式会社 スタジオ・アルテック
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スタジオ・アルテックが創ること    <1/3>,<2/3>,<3/3>

「人びとのための場を創ります」

・高齢者の「施設」を「住居」として創ります

高齢者のための施設づくりが急務な時代となっています。
この種の施設は国や自治体の制度に則り運営や施設の基準が決められています。学校や病院も同様で、日常目にする其の空間は一目でそれとわかる、いわゆるいかにも「施設」といった雰囲気があり、人間の居場所としての当たり前の居心地のよさに欠けるものとなっている実情があります。
高齢者の居場所としての空間はそうであってはならないものです。
其の人が営んできた生きる場所としての住居の記憶に近い、それぞれの人にとっての住まいらしさと共通する居心地がなくてはならないものです。そのような空間の質を持ったものは制度に則った施設であっても建築家の知恵によって創りだすことができるものです。制度のためにソレができないことではありません。居心地の良い住居の空間をイメージする想像力と、人間のためにという、愛する心を問われている問題だと考えています。
高齢者福祉大国と言われるデンマークでは20年以上も前から、「行き届いた介護を与える施設」ではなく「高齢者のニーズに答える住居としての場所」を作る、という政策コンセプトに切り替えています。それによって高齢者施設の入居者の90%以上の満足感を得る場所という評価を得ています。すべての入居者に取ってそこが自分に取って安心感のある自分の居場所、住居と認識されているということです。

我々が「高齢者のための住宅コンクール:1998年JYUUKEN」で金賞を受賞した住居では,大きな玄関ホールがそこに住む高齢者の人生を彩ってきた持ち物の博物館とも言える倉庫状の場所です。そこは接客ができたり書斎であったり会を催したり出来る空間です。そして玄関ホールでもあるのです。訪れた人は自ずと住人の記憶の品に触れて其の話題となりその人となりを感じる事ができる場所となっています。そして住居の中心をなす空間は天井が高く日当たりの良い、フラットで回遊のできる一室空間となっています。そして大事なことは、介護する人もされる人も切れ目のない相互関係からいっとき離れて一人を感じられるコーナーが考えられていることと、同時にお互いを感じられる距離感を意識できる仕組みができていることです。
高齢者のための居場所は、このように記憶という人間の生きる源をなす感覚を大切にし、孤独感を払拭しながら同時に個人としての自覚を促す要素を持った空間であることが大切だと考えています。

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